グルメの迷宮・日々ごはんとお酒の料理店 つばめの来る日/国分寺市本多

2024年ごろから、国分寺には次々と個人経営の実力派飲食店がオープンしています。

今回ご紹介するつばめの来る日さんも、2025年4月にオープンしたばかりですが、圧倒的な情熱とメニュー数でグルメの迷宮のようなお店を作り上げています。
そして早くも予約困難な人気店に・・・ようやく予約が取れましたので、早速ご紹介します!

お店は、国分寺街道と連雀通りの交差点にある2階建てのビルです。
ガラス張りの1階部分には2箇所入り口があるのですが、よく見ると「満席」のプレートが掛かっています。
ずっと気になっていたお店だったので、予約が取れて本当に嬉しい!
期待感MAX状態で、ドキドキしながらお店の中に入ってみましょう・・・。

とにかく情報量が多い!外国のキッチンのような店内

引き戸を開いてすぐにカウンターがあり、やっと一人が通れるくらいのスペースですが、ステキなお店のロゴが入った可愛らしいスタンド照明がお出迎え。

そして、カウンターとキッチンの間には様々な棚やディスプレイがあり、ものすごい情報量です!
手作り感満載、なんだか外国のキッチンに招かれたような、雑多なのになぜか落ち着く、やさしい雰囲気になっています。

キッチンの奥にある食器棚は、店主さんがご自宅から持って来られたそうです。あえて家感を出して、ホッとするような雰囲気を演出しているんですね。

そして、お店のロゴが入ったグッズがいたるところに置いてあります。
お皿も、グラスも、全部ロゴ入りです。こだわりがすでにひしひしと伝わってきますね!

手作り感満載の2階席

まだお客様がいらっしゃらないうちに、2階も見せていただくことにしました。

コンパクトながらも、3組のテーブル席があります。ナチュラルで、窓がたくさんあって開放感もありますね。

鳥かごの中に、グラスが入っています!なんて可愛い演出でしょうか♪

奥のテーブル席は、ライトのしつらえもステキです。鋭角の壁ぎわに収まっていて、すごく落ち着きそうな感じですね。

窓の外を眺めながら、お料理を待つ時間もゆったりと過ごすことができそうです。

とにかく、お客様の目を楽しませてくれそうなアイテムがたくさん!

グルメの迷宮!制覇不可能!?圧倒的メニュー数

インテリアだけでものすごい情報量で、ため息ばかり出てしまっておりますが、この様子だとメニューの方は一体どうなっているのでしょうか?

まずは、定番メニューとクラフトビールから。
お料理は定番メニューだけで16種類も……!ビールも4種類もあります。

結果、お料理はデザートも合わせるとなんと80種類!!驚愕です。
しかも和洋中エスニックと混在しています、一体どうやって仕込みをしているのでしょう?

これでも、メニュー数を減らしたとか。でもすぐに新しいメニューを追加しちゃうのだそうです!
これは、いかなる常連さんでもきっと制覇できませんね!

そしてドリンク。お酒も、ソフトドリンクも、もはや数えられませんが80種類ずつくらいはありそうです。

さらにはこだわりの日本ウィスキーと、地酒。
ワインは、もちろん各種揃っていますよー。
そして、紅茶はティーマイスターのブランドからセレクト、コーヒーはもちろんこだわりの豆をハンドドリップで淹れるというから、びっくりします!

もはや、このお店には「普通」のものが無いのですね。
こんなすごいメニュー数を扱う店主さんは、一体ナニモノなのでしょうか!?

「食」をこよなく愛する情熱あふれる店主さん

通常なら、ここでドリンクやお料理を注文するのですが、ここはもう聞かずにはいられません。
思わず話し込んでしまいました。

店主・後藤さんは、国分寺・小平で生まれ育った地元の方。中野区で15年間ビストロをやられたあと、この地に移転されたそうです。
しかも、前店舗の閉店からわずか2週間で移転オープン!内装は設備系以外はほとんどお一人でやられたとのこと・・・もう何もかもが普通じゃないです。

独立前は、学生時代からフード系の会社でアルバイトを重ね、大学と並行して専門学校にも通い、フードコーディネーターの資格を取得。
東急百貨店に入社し、food showで数々の催事や物産展を担当。その後RF1に転職、さらには
Dean & DeLucaの立ち上げなど、食のプロとして多くの経験を積まれ、現在もお店をやるかたわら、料理講師やフードコーディネーターとしてもご活躍されています。

「自分が行って“いいな”と思うお店にしたいから」と、小さなことにも一切手を抜かずに、たったお一人ですべてのことをやり切る後藤さん。やはりタダモノではありませんでした。
しかも、そんな情熱とエネルギーを柔らかくラッピングしてしまったかのような、穏やかで落ち着いた印象のたたずまいでいらっしゃるのが、またすごい。
予約が取りにくくなっているのは、すべてのお客様に、会話も含めて十分な対応ができる範囲で満席としているからだそうです。
この、お客様の満足のために、とことんやり切るという姿勢。本物のプロフェッショナルなのですね。
到底真似できるものではありませんが、心底尊敬してしまいます!

後藤さんとお店の詳しいプロフィール等は、Instagramの移転告知の3月中旬の投稿でも詳しく掲載されていますので、よかったらチェックしてみてくださいね。

すべてが出来立て♪「おいしい」確定の料理と飲み物

さて、いよいよ期待しかないお料理と飲み物を注文しましょう。

まずはクラフトビールから。しゃべり過ぎて写真を撮る前にひとくち飲んじゃいましたが(汗)
日本酒のワンカップみたいな形のオリジナルグラスがかわいいです!飲みやすい形。
生スタイルでいただくクラフトビールは、また格別のおいしさです。

まずはサラダから。お料理はすべて、一人分仕様に少なめでお願いしているのに、この分量!
そしてこの斬新なきゅうりの切り方!!葉物以外は、軽くローストした状態になっています。
ドレッシングがボトルに入っているのも面白いです♪ もちろん、自家製ですよ。
「野菜はたくさん召し上がっていただきたいので」の言葉通り、おいしくてビールも忘れてモリモリ食べてしまいました(笑)。
結局ドレッシングは全部使ってしまいました、残すなんてできなかった!

次のドリンクは、お魚料理に備えて白ワインをグラスで。薄張りグラスがワインの香りを一層引き立ててくれます。

お魚料理は、鮮魚のオリーブオイルマリネ。
メニューを見ている時、「カルパッチョじゃないんだ?」と思っていましたが、見てください、この厚切り!これはカルパッチョじゃないですね、「マリネ」に納得。

ものすごい食べ応えで、早くもお腹いっぱいになりそう、イヤイヤ、ダメです、だめ!
これだけ厚切りだと、素材が良くないとくどくなってしまいそうですが、そこは目利きの後藤さんですから、お魚の香りと食感をエキストラバージンオリーブオイルで絶妙に引き出してくれています。

お口直しにと、フルーツのように甘いトマトのマリネをいただきました。
すごい!もはやデザートです、これは。

ドリンク3杯目は、お肉に備えて赤ワインにしましたよ。

お肉料理は、本当に迷ってしまったのですが、好みの味付けをたずねてくださり、ご提案をもとに
チキンスペアリブのシーシャンウェイウェイシャンを注文。
東西のスパイスに漬け込んだ鶏肉は、こんがりとスパイシーで元気が出るおいしさでした!
後藤さんも、スパイスは大好きなんだそうです、店主さんと味の好みが似ていてラッキー♪
はい、ここで早くもおなか具合はポンポンになってしまいました。。。
気になるメニューがまだまだあったのに、やはり80種類ははてしないものがあります。
気を取り直して、ドリンクをもう少し。

自家製山椒ハイボールです、なんだかお口がすっかりスパイスモードになってしまって(笑)。
これは満腹になってしまったあとも、サッパリ・スッキリと飲めて、香りもよくさわやかですね。

この日はかなり暑い日でしたが、一気にクールダウンできました♪
スパイス好きの後藤さんとしても、オススメのハイボールなのだそうですよ。

さて、お腹いっぱいではありますが、お願いして2階席へ運んで行く前のお料理を撮らせていただきました。ありがとうございます♪

その名も、つばめのおかzuまみ二段重!いろんなおかずがこぼれ落ちそうにてんこ盛りになっています!文字通り、おかずにもつまみにもなる、お得感満載の一品ですね。
更に図々しく飲み物まで撮らせていただきました。

空色サワーです、うわー、キレイ・・・・。
美しい青のグラデーション、見ているだけで涼しくなります。

と、こんな感じで、何しろ膨大なメニューの数ですから、何品ご紹介したとて、「このお店ってこんな感じね」という特徴は、到底伝え切ることができません。

百聞は一見にしかず、ぜひ一度皆さんの目と舌で直接感じていただきたいなと思う次第です。

とはいえ、やはりメニュー数に対して少なすぎると思ってしまい、再訪して看板メニューをいただいて来ましたよ!

こちらは、あさりと豆のバスク風煮込み。グツグツと煮立った状態でご登場です!
豆以外にもお野菜がたっぷり入っています♪
あさりのダシが全体に行き渡り、野菜の甘みも加わって、濃厚にしてまろやかな味でした。
あさりの塩味を計算して、調味料は控えめとのこと、さすがですー!

そしてこちらが、つばめ名物!ごぼネーゼパスタです。中野時代からの大人気メニューだそうで。
泥ごぼうを丸ごとペーストにして、牛と鶏の合い挽き肉と合わせた具なのですが、牛のしぐれ煮のような、柳川鍋のような、和テイストの初めて食べる味わいでした。
鶏との合い挽きだからなのか、思ったよりコッテリしていなくて、食べ飽きません♪
パスタも無論こだわってます、セモリナ粉比率高めのモチモチ麺で、お肉との相性バッチリです。
最後は、あえてお肉を少し残しておいて、お酒のつまみとして楽しみました。

なるべく品数を多く食べようと思うと、パスタは後回しになってしまいがちですが、これは食べるべき1品です!
ちなみに、ごぼネーゼのラザニアバージョンもありますよ。

食の楽しさと幸せをすべての人に

さて、こだわりと情熱がハンパない後藤さんですが、国分寺に移転してきて、もうひとつの想いがあるようです。

ビストロとしての店名はつばめの来る日。
これは、幼少期にお母様から「つばめがやって来ると幸せを運んできてくれるんだよ」と聞かされてきたことと、同名の小説のタイトルを見て「これだ!」と思い、著者サイドに許可を取って(このあたりもさすがです!)15年前にお店をスタートされました。

次に、料理店としてだけでなく、食にまつわるあらゆるものを集めた百貨店のようなお店にしたい、という夢も生まれ、それをここ国分寺で実現された、というわけなのです。

そこで、お店の入っているビル全体をつばめデパートメントストアと名付け、お店のロゴ入りのグッズや、ドリンクに使われているティーマイスターブランドの紅茶などを販売しているそうです。

実はこのお店のロゴデザインは、後藤さんの古くからのお知り合いにして、GODIVAなどのパッケージイラストも担当しているデザイナーさんの手によるものなのだそうです。
さらに、「いつでも使っていただきたくて」とビルの3階にデザイナーさんのアトリエを作ってしまったそうで。

もうお話しをうかがっていると、いくらでもすごい話がどんどん飛び出してきます。
でもその根底には、いつも「年齢、ジェンダー、おひとり様もおふたり様も何人様も、あらゆる人にわけへだてなく食の楽しさや幸せを届けたい、そのためにはできることを全部やる」という後藤さんの尽きることのない熱意とやさしさが揺るぎなく存在しているのだと思います。

お店はいつも1ヶ月先までほぼ満席。非営業日は、出張料理や講師、コーディネーターのお仕事、と休む暇もなく動き回っている後藤さん。
お身体には本当に気をつけていただきたいなと、思わずにはいられません。

ずっと続いてほしいなと思える素敵な飲食店がまたひとつ、国分寺に誕生しました。

みなさんのお散歩寄り道リストにぜひ、加えておいてくださいね!

日々ごはんとお酒の料理店 つばめの来る日
住所:東京都国分寺市本多1-14-11
アクセス:JR中央線「国分寺駅」北口徒歩約11分
連絡先:042-326-3378
営業時間:18:00〜23:00(ラストーオーダー22:00)
定休日:不定休(SNSにて告知)
駐車場なし

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。